基礎資料

硬質チーズ、三種類

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イタリア料理でよく使うものの一つに、チーズがあります。ヨーロッパを訪れる機会があったら、是非ともその国のスーパーのチーズコーナーに行ってみてください。イタリアに限らず大体どの国でもチーズの種類の多さにびっくりすると思います。味も香りも塩加減も旨みも値段も、本当に様々なものを手に入れることが出来るはずです。

例えばイタリア国内だけに限定してみても、恐らく千種類を超えるチーズがあるはずで、しかも地域によって時期によって手に入るものも異なってくると思います。とてもじゃないけどそんなに多くの種類のチーズを調べきれないし、食べきれないし、制覇するつもりすら実際にはありません。

でも、イタリア料理をするなら是非知っておいたほうが良いチーズっていうものが幾つかあります。ということで今回は普段よく使うチーズに限定して、ちょっと詳しく見てみることにしましょう。

その中でも特に今回は硬質チーズ。文字通り硬いチーズなのですが、この中の三種類のみに限定して見てみたいと思います。




パルミジャーノ・レッジャーノ
   Parmigiano Reggiano
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イタリアのチーズの王様と言われる、堂々とした風格の硬質チーズです。ほら、日本でも粉チーズで「パルメザン・チーズ(Parmesan Cheese)」っていうのがありますよね。そう、あれです。その「Parmesan」は「Parmigiano」の英語表記で、「パルマ地方の」っていう意味なんです。

とはいえ、あの粉チーズと、このパルミジャーノ・レッジャーノとは、全然別物だと思ったほうが良いんですけどね。(後述参照)

●原材料
 牛乳

●特徴
 熟成期間が18~36ヶ月と長く、その分独特のコクと香り、
 それから塩味があります。
 手間と時間がかかっている分、値段もそこそこ高いです。

●使い方
 スライスしてサラダやカルパッチョに乗せたり、
 すりおろしてパスタにかけたり、
 はたまたすりおろしをグラタン類の上に掛けて
 焼くことで焼き色をつけたり。
 料理のコク出しとして少量加えることもあるし、
 かけらをそのまま口に放り込んで食べちゃっても。

 外側の硬い部分は、
 「ワックスだから食べちゃ駄目」っていう人もいるし、
 「もともと牛乳成分で硬いだけだから、
  すりおろせば食べれるよ」って言う人もいるし、
 どっちなんでしょうね?
 誰かホントのことを知りませんか?

※Parmigiano Reggianoという名称について
 このParmigiano Reggianoという名前ですが、
 こう呼んで良いのは、
 以下の3つの条件をすべてクリアしたものだけ。
  1.イタリアの指定地域(北から順にMantova、Parma、
   Reggio nell'Emilia、Modena、Bolognaの5都市の
   地域のみ)で作られたものであること。
  2.原材料や製法などもイタリアの法律で厳密に決められて
   いるのですが、これを守って作られたものであること。
  3.製作過程と製品との双方に対して厳しい品質チェックが
   あるようで、その検査に合格したものであること。

 つまり、
  1.特定地域で、
  2.昔ながらの製法で作った、
  3.高品質で美味しいチーズ
 だけがParmigiano Reggianoと名乗ることを
 許されるというワケですね。なるほど。
 しっかりと国全体での支援・保護体制が
 整っているんですね。

 こういう規制があるので、
 Parmigiano Reggianoと書かれていれば、
 それはイタリアの法律で保証された
 パルミジャーノ・レッジャーノだ
 ということになるのです。

 これは裏を返せば、
 Parmigiano Reggianoと書かれてなければ
 パルミジャーノ・レッジャーノじゃない
 っていうこと。

 例えば先述の「パルメザン・チーズ」。
 大抵はParmigiano Reggianoとは書かれてないんです。
 多くの場合は「Parmigiano Reggiano使用」と
 書かれているだけ。
 パルミジャーノ・レッジャーノと他のチーズを混ぜたもの
 だったり、パルミジャーノ・レッジャーノ風味のチーズ
 だったりします。

 Parmesan Cheese=パルマ地方のチーズって謳っている
 だけのチーズなら、100%本物のパルミジャーノ・レッジャーノ
 で作る必要はないというワケなのです。

 そんなワケで、一般的にはパルメザン・チーズの風味は
 本物のパルミジャーノ・レッジャーノのそれとは
 随分と違ってくることが多いようです。

 また、あらかじめすりおろした状態のチーズは
 酸化や乾燥の進み方がどうしても早くなってしまいます。
 つまり劣化が早いということです。
 こういった理由からも、できれば塊を購入して、
 使うたびにすりおろすという一手間を惜しまないのが
 格段に美味しく仕上げるコツということになります。



グラーナ・パダーノ
   Grana Padano
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パルミジャーノ・レッジャーノと同様、牛乳から作られる硬質チーズです。言ってみれば、パルミジャーノレッジャーノの弟分のようなチーズです。パルミジャーノ・レッジャーノよりも香りが弱いし、価格も安いので、イタリア料理では一番広範囲に使えるチーズじゃないかなと思います。

●原材料
 牛乳

●特徴
 熟成期間が1~2年とパルミジャーノ・レッジャーノより短め。
 そのためパルミジャーノ・レッジャーノよりコクや風味は劣る。
 言い換えれば、癖が少なく、食べやすい。

 熟成期間が短いためか、或いは製造規定が緩いからか、
 そのあたりはよくわかりませんが、値段も比較的安く、
 大体パルミジャーノ・レッジャーノの半額程度です。
 (モチロン、購入する場所にも依りますよ。)

●使い方
 パルミジャーノ・レッジャーノが使えるところには、
 すべてこのチーズが使えます。

 パルミジャーノ・レッジャーノと比べると
 チーズの味や香りが主張しすぎていないので、
 素材の味を前面に出したい料理にはかえって
 グラーナ・パダーノのほうが合わせやすいと思います。




ペコリーノ・ロマーノ
   Pecorino Romano
2011_D74_8568.jpg

上記2つとは違って、羊乳で作られたチーズで、独特の風味があります。最初はちょっときつく感じるかもしれませんが、慣れてくると病みつきになる人もいますし、このチーズなしでは出せない味もあるのです。

羊乳のチーズをPecorino(ペコリーノ)というんですが、ペコリーノ・ロマーノはローマ近郊で最初に作られたタイプなのでRomano(ローマの)という名前を冠しているとのことです。今ではローマ以外でも作られているようですけどね。

同種のチーズとして、トスカーナ地方のPecorino Toscano(ペコリーノ・トスカーノ)、シチリアのPecorino Siciliano(ペコリーノ・シチリアーノ)などがあります。味も、塩味もそれぞれ異なります。

●原材料
 羊乳

●特徴
 羊乳から作られたものですので、やや粗野な(というか
 独特の)においがあります。

 とは言っても、山羊乳のチーズと比べたら全然匂いが
 無いって言いたいくらいの軽いニオイなんですけどね。

 上手に使うと、このにおいが非常に良い香りとなって
 食欲をそそります。

 また、ペコリーノ系のチーズは結構塩味が強いという
 特徴もあります。料理に使う場合には塩味のバランスを
 考える必要がありますので注意しましょう。

●使い方
 アマトリチャーナというトマト系のパスタソースには必須。
 これはローマ近郊のAmatrice(アマトリーチェ)という町
 発祥のパスタソースで、この地域の特産の豚の加工肉
 (Pancetta:パンチェッタやGuanciale:グアンチャーレ)と
 トマト、たまねぎとペコリーノ・ロマーノを使って作ります。

 それ以外ではパスタに掛ける粉チーズとして
 パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろしの代わりに
 使っても良いし、同様にすりおろしをカルボナーラ
 (卵系のパスタソース)に使うと牛乳系のチーズよりも
 コクがあって断然美味しく仕上がります。

 サラダに使っても良いし、
 そのままかけらを食べても良いと思います。
 パルミジャーノ・レッジャーノよりも多少塩気が強いので、
 ワインが進んでしまいますね。

 あれ?結局、どう使っても良いってことですね。




●硬質チーズ保存法
 最後に保存法を。
 チーズは乾燥が厳禁で、熟成のスピードも遅いため、
 きっちりとラップして冷蔵庫で保管すればOKです。

 表面がカビてきたりしますが捨てないでください。
 もったいない。
 カビた部分を削り取れば残りは全く問題なく食べられます。
 でも、カビが中に入り込んでしまったら
 食べないほうが無難ですね。
 このあたりは自己責任でお願いします。

 あ、
 たとえ乾燥が進んでしまってもすりおろして使えば
 それほど気にならないかもしれません。
 安価なものではないので使いきってくださいね。



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